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微生物による排水処理の仕組みと方法|メリットや適した排水、導入のポイントを解説

14 分前
読了時間: 13分

工場や事業所などから発生する排水には、食品残さや糖類など、さまざまな有機物が含まれています。こうした排水を適切に処理する方法の一つが、微生物の働きを利用した「生物処理」です。


微生物は排水中の有機物を分解する性質を持っており、その働きを活用することで水質の改善につなげられますが、排水の種類や成分によって適した処理方法は異なり、微生物だけでは十分な処理が難しいケースもあります。


この記事では、微生物による排水処理の仕組みや主な方法、メリット・注意点、適している排水の種類まで詳しく解説します。自社の排水処理に微生物を活用できるか検討している方は、ぜひ参考にしてください。


微生物による排水処理とは?水をきれいにする仕組みをわかりやすく解説


工場や事業所などから排出される水には食品残渣など、さまざまな物質が含まれています。そのまま河川や下水道などへ排出すると、水環境に負荷を与える可能性があるため、排水の性状に応じた適切な処理が必要となり、排水を処理する方法の一つが、微生物の働きを利用した「生物処理」です。


生物処理では、水中に存在する微生物が有機物などを分解する性質を利用します。では、微生物は実際にどのように排水を浄化しているのでしょうか。ここから、排水処理における微生物の役割や、生物処理との関係について詳しく解説します。


排水処理で微生物は何をしている?有機物を分解する仕組み


排水処理における微生物の大きな役割は、水中に含まれる有機物を分解することです。微生物の中には、有機物を栄養源として取り込み、代謝するものが存在します。この働きを利用することで、排水中の有機物を分解し、水質の改善につなげることができます。


たとえば、食品工場から出る排水には、食品由来の有機物が多く含まれますが、こうした排水を微生物が活動しやすい環境に置くことで、微生物が有機物を分解し、排水中の汚濁物質を減らしていきます。


ディーリンクの「バイオ水質浄化装置」では、特定の菌を人工的に培養して添加するのではなく、自然界に存在する在来土壌菌を利用していることが特徴です。


在来土壌菌とは、自然環境中に存在する多種多様な微生物群を指します。装置内では、担体の表面に微生物による生物膜を形成させ、その生物膜の働きを利用して排水中の有機物などを分解します。つまり、特定の菌を外部から継続的に補給するのではなく、自然界に存在する微生物群の働きを活用して水質改善を目指す仕組みです。


ただし、微生物だけですべての汚濁物質を除去できるわけではありません。排水に含まれる成分や濃度、処理後に求められる水質によっては、凝集・沈殿、ろ過、膜処理などを組み合わせる必要があります。


微生物の働きを左右する4つの環境条件とは?


微生物による排水処理では、微生物の種類だけでなく、微生物が活動しやすい環境を維持できるかが処理性能を左右します。特に重要なのが、「水温・pH・溶存酸素・排水中の有機物濃度」です。

このように、微生物による排水処理では「どの微生物を使うか」だけでなく、微生物が安定して働ける環境をつくることがポイントになります。


微生物による排水処理にはどんな方法がある?代表的な4つの処理法を解説

微生物を利用した排水処理には、いくつかの方法があります。代表的なのが、活性汚泥法・嫌気性処理・MBR(膜分離活性汚泥法)・接触酸化法です。いずれも微生物の働きを利用する点は共通していますが、微生物をどのように保持するか、酸素を供給するか、処理水と微生物をどう分離するかなどに違いがあります。



活性汚泥法|広く採用されている代表的な生物処理

活性汚泥法では、処理槽に空気を送り込みながら微生物を増殖させ、排水中の有機物を分解します。処理後は、微生物を含む汚泥と処理水を分離し、一部の汚泥を処理槽に戻して再利用するのが一般的です。


幅広い排水に利用されている一方、微生物の状態や汚泥量、曝気などを適切に管理する必要があります。排水量や水質の変動にも注意が必要です。


嫌気性処理|高濃度の有機排水にも活用される処理方法

嫌気性処理は、酸素がない環境で活動する微生物を利用して有機物を分解します。処理の過程でメタンなどのガスが発生することがあり、有機物を高濃度に含む排水の処理方法として活用されるケースがあります。


一方で、排水の水質や温度などによって処理性能が左右されるため、対象となる排水の性状を踏まえた検討が欠かせません。


MBR(膜分離活性汚泥法)|微生物処理と膜分離を組み合わせる方法

MBRは、活性汚泥法による生物処理と膜による固液分離を組み合わせた方法です。沈殿による分離と比べて、良好な水質の処理水を得やすく、限られたスペースでの導入を検討できる点も特徴です。


その一方で、膜の目詰まりを防ぐための管理や、膜設備の維持管理が必要になります。処理性能だけでなく、導入後の管理負担まで含めて判断することが大切です。


接触酸化法|在来土壌菌の生物膜を活用する水質浄化法

接触酸化法は、担体の表面に微生物を付着させて生物膜を形成し、その微生物の働きによって排水中の有機物などを分解する方法です。


ディーリンクのバイオ水質浄化装置では、この接触酸化法を採用し、自然界に存在する在来土壌菌を活用しています。選択培養菌や特定の市販菌、遺伝子改変菌などを継続的に添加するのではなく、担体に形成された生物膜中の微生物群を利用して水質の改善を目指します。


また、ディーリンクの技術では、汚れた水を担体に満遍なく接触させる流水コントロールも重要な要素です。担体に水を適切に接触させることで、生物膜中の微生物の働きを水質浄化に活用します。


接触酸化法は、微生物を担体に保持して利用するため、微生物を含む汚泥を沈殿させて分離する活性汚泥法とは、微生物の保持方法が異なります。実際の導入では、排水の成分や濃度、処理量などを確認したうえで、適切な設備設計を行うことが重要です。


微生物による排水処理のメリットとは?環境に配慮した水処理の特徴を解説


微生物を利用した排水処理には、微生物の働きを活用するからこその特徴があり、特に注目したいのが、微生物自身の代謝を利用して有機物を分解できることです。また、排水の性状や求められる処理水の水質に合わせて、活性汚泥法や嫌気性処理、MBR、接触酸化法などから適した方法を選べます。ここでは、微生物による排水処理ならではのメリットを見ていきましょう。


有機物を含む排水の処理に活用できる

微生物による排水処理では、微生物が排水中の有機物を取り込み、分解する働きを利用します。食品工場や畜産施設など、有機物を多く含む排水では、微生物の代謝を利用した生物処理が選択肢の一つとなります。自然界でも微生物は有機物の分解に関わっており、その働きを排水処理に応用したのが生物処理です。


化学反応だけに頼るのではなく、微生物が持つ分解能力を活用できることが大きな特徴といえるでしょう。


薬剤への依存を抑えた排水処理を検討できる

排水処理では、対象となる物質や水質に応じて薬剤を使用する方法もありますが、微生物による生物処理は、微生物の働きを利用して有機物などを分解するため、薬剤への依存を抑えた処理方法を検討できるのが特徴です。


もちろん、すべての排水を微生物だけで処理できるわけではありません。排水の成分によっては、凝集・沈殿やろ過、膜処理などを組み合わせる必要があるため、「薬剤を一切使わない」という考え方ではなく、排水の性状に応じて薬剤の使用量や処理方法を適切に組み合わせることが重要です。


自然界の浄化作用を排水処理に活用できる

微生物は自然界に存在し、水中の有機物を分解するなど、物質循環に関わっています。微生物による排水処理は、こうした自然界の浄化作用を応用した技術の一つです。自然の仕組みを活用することで、環境への負荷を抑えながら水質改善を目指せる点は、微生物を利用した水処理の大きな特徴です。


ディーリンクの「バイオ水質浄化装置」では、自然界に存在する在来土壌菌を活用した接触酸化法を採用しています。選択培養菌や特定の市販菌などを添加するのではなく、担体の表面に形成された生物膜中の微生物群が、排水に含まれる有機物や窒素成分などを分解します。


担体には、木炭やプラスチック担体、廃棄ガラスを発泡焼成した素材などを使用。さらに、汚れた水を担体へ満遍なく接触させる流水コントロール技術によって、微生物が働きやすい環境をつくります。自然界の微生物の働きを活用するため、特定の菌を継続的に補充する必要がない点も特徴です。


排水の性状や目的に合わせて処理方法を選択できる

微生物を利用した排水処理には、活性汚泥法、嫌気性処理、MBR、接触酸化法など複数の方法があります。それぞれ微生物の保持方法や酸素の供給方法、処理水との分離方法などが異なるため、排水の種類や水質、処理量、設置スペース、処理後の水の用途などを踏まえて選択することが大切です。


微生物による排水処理のメリットは、単に「微生物を使える」ことだけではありません。排水の条件に応じて処理方式を選び、必要に応じてほかの処理方法と組み合わせられる柔軟性も重要なポイントです。


微生物による排水処理が適している排水とは?


微生物による排水処理は、有機物を含む排水の浄化に適した方法の一つです。ただし、排水の成分や濃度によっては、微生物による処理だけでは十分な水質改善が難しい場合もあります。ここでは、微生物による排水処理に適した排水の種類と、ほかの処理方法を組み合わせる必要があるケースについて解説します。


有機物を多く含む排水は微生物による処理と相性がよい

微生物による排水処理は、排水中の有機物を微生物の働きによって分解する方法です。食品の残さや糖類、たんぱく質などの有機物を含む排水は、生物処理の対象となる代表的なものです。


同じ種類の排水でも、含まれる成分や濃度、排水量は施設によって異なるため、微生物による排水処理を検討する際は、排水の種類だけで判断するのではなく、成分・濃度・排水量などの性状を確認し、排水に適した処理方法を選択することが重要です。


微生物処理だけでは対応が難しい排水とは?

微生物による排水処理は、有機物の分解に適した方法ですが、すべての汚濁物質を微生物だけで除去できるわけではありません。


たとえば、重金属や一部の無機物、微生物では分解しにくい化学物質などが含まれる排水では、生物処理だけでは十分な水質改善が難しい場合があります。また、有機物を含む排水でも、濃度が極端に高い場合や微生物の活動を阻害する成分が含まれている場合には、そのまま生物処理を行うことが適切とは限りません。こうしたケースでは、凝集・沈殿、ろ過、膜処理、活性炭処理など、別の処理方法を組み合わせることがあります。


重要なのは、「微生物処理を使うか、使わないか」という二択で考えることではありません。排水に含まれる成分や処理後に求められる水質を確認し、それぞれの処理方法の特性を踏まえて、適切な処理工程を設計することが大切です。


微生物による水質浄化ならディーリンクの「バイオ水質浄化装置」

ディーリンクの「バイオ水質浄化装置」は、自然界に存在する在来土壌菌を活用した接触酸化法による水質浄化システムです。担体の表面に形成された生物膜中の微生物が水中の有機物などを分解し、さらに汚れた水を担体に満遍なく接触させる流水コントロール技術によって、微生物の働きを活かした水質改善を目指します。


木炭やプラスチック担体、廃棄ガラスを利用した発泡焼成材などの使用実績があり、特定の菌を継続的に補充する必要がないことも特徴です。


「自社の排水に導入できるのか」「どのような仕組みで水質を浄化するのか」と気になる方は、ぜひ資料をご覧ください。装置の仕組みや特徴、導入事例などを詳しく紹介しています。



微生物による排水処理に関するよくある質問

微生物による排水処理について、仕組みや方法、導入時のポイントに関するよくある質問をまとめました。


Q. 微生物はどのように排水をきれいにするのですか?

微生物は、排水に含まれる有機物を栄養源として取り込み、分解します。食品の残さや糖類、たんぱく質などの有機物を微生物が分解することで、排水中の汚濁物質を減らし、水質の改善につなげます。


微生物が十分に働くためには、水温やpH、溶存酸素、有機物濃度などの環境を適切に保つことが重要です。

排水処理では、好気性微生物や嫌気性微生物など、さまざまな微生物が利用されています。

好気性微生物は酸素がある環境で活動し、活性汚泥法などの生物処理で活用されます。一方、嫌気性微生物は酸素が少ない環境で有機物を分解するため、嫌気性処理などに利用されます。どの微生物が適しているかは、排水の成分や濃度、処理条件によって異なります。

はい。工場排水にも、微生物による生物処理が活用されるケースがあります。特に食品工場など、有機物を多く含む排水では、微生物による分解が有効な処理方法の一つです。

ただし、工場によって排水の成分や濃度、排水量は大きく異なります。微生物の活動を阻害する物質が含まれている場合などは、前処理や別の処理方法を組み合わせる必要があります。

活性汚泥法は、微生物を利用して排水中の有機物を分解する生物処理の代表的な方法です。つまり、「微生物による排水処理」が微生物の働きを利用した処理全般を指すのに対し、「活性汚泥法」はその具体的な処理方式の一つです。


活性汚泥法では、処理槽に酸素を供給しながら微生物を増殖させ、微生物を含む汚泥と処理水を分離して処理します。

排水の性状によっては、微生物による処理だけで水質改善を図れる場合がありますが、すべての排水を微生物だけで処理できるわけではありません。


重金属や一部の無機物、微生物では分解しにくい物質などが含まれている場合は、凝集・沈殿やろ過、膜処理などを組み合わせることがあります。重要なのは、排水に含まれる成分や処理後に求められる水質を確認し、適切な処理方法を組み合わせることです。

微生物による排水処理には、排水中の有機物を微生物の働きによって分解できるという特徴があります。


自然界にも存在する微生物の浄化作用を活用できるほか、処理方法によっては薬剤への依存を抑えた水質改善を検討できます。一方で、微生物が活動しやすい環境を維持する必要があるため、排水の性状や処理条件に合った設備設計・管理が欠かせません。

まず確認したいのが、排水の成分・濃度・量です。どのような物質が含まれているのか、どの程度の排水が発生するのかによって、適した処理方法は変わります。


さらに、処理後にどの程度の水質が求められるのか、処理水を放流するのか再利用するのかといった用途まで整理しておくことも重要です。自社の排水に微生物による処理が適しているか判断するには、水質や処理条件を確認したうえで、専門業者に相談するとよいでしょう。


 
 
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